静電気測定器の正しい使い方
静電気の測定、正しくできていますか?
最適な静電気対策をおこなうためには、正しく静電気を測定することが重要です。
静電気測定器は非接触タイプの特殊な測定器のため、正しい使い方をご理解いただいた上でのご使用をお願いいたします。シシド静電気の測定器はとても使いやすく、誰でも正確に静電気を測定できることが特長です。
静電気の測定原理
静電気は帯電すると電界を発生します。
静電気による電界をセンサーが検知して静電気の電圧に換算して表示することで静電気が非接触で測定できます。センサーには、音叉振動式と回転セクター式があります。(回転セクター式測定器は生産終了しました)
静電気測定の様子
静電気測定器の種類と特徴
機種名 | 特徴 |
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DZ4 | 10V分解能 最大19.99KVまで測定可能。 測定距離 30mm 180度の首振り機構付き イオンバランス測定可能(オプション) 人体帯電測定可能(オプション) |
DSF601/W | 測定範囲はAタイプ(1V~1.999kV)とBタイプ(0.01kV~19.99kV)を購入時に選択が可能。またWiFi通信機能のあるWタイプも選択可能。小型センサーのケーブル長も最長10mまで購入時に選択でき、使用状況に合わせて測定ができる。 |
機種名 | 特徴 |
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DP | イオナイザの除電性能、イオンバランスが測定可能。 1V分解能 最大1999Vまで測定可能。 測定時間<0.0~99.9秒br />180度の首振り機構付き(各45度で固定) プレート寸法 70×32mm |
STATIC HONESTMETER H-0110-S4B |
素材の静電気拡散性の調査に適しています。 V3とあわせてご使用ください。 パソコンで減衰データを測定し管理できます。 |
静電気の測定原理と注意事項
- 1アースに関する注意
- 正確な測定には測定器のアースが必須です。これは人体の帯電が測定器に影響をしてしまうためです。人体の帯電がないことが確認できるか、正確な測定精度はいらない場合はアース線がなくても測定はできます。歩き回るときなどは大変やりにくいですが半導体工場などでの正確な人体帯電測定にはアース線は必要です。
- 2測定対象物の電圧が不明の場合
- 測定対象物がどの程度の電圧なのか不明の時は遠方からゆっくりと近づけて下さい。所定の測定距離にならない内にレンジオーバーになりそうなときは測定を中止して下さい。センサーが破損することがあります。また無理に近づけますと50mm程度でも放電現象が起きてショックを受けたり測定器が故障することがあります。レンジを超える対象物の電圧の測定は距離を遠ざけることである程度は補正しながら測定ができますが、基本的にレンジを超える測定には使用しないで下さい。
- 3測定距離
- DZ4は測定距離が30mmです。光の焦点で距離をほぼ決めることができますので常に光に注意して測定して下さい。
- 4衝撃
- 静電気測定器の音叉式センサーはデリケートにできています。衝撃などに弱いため落下させたり、机に乱暴に置いたりぶつけたりしますとセンサーが故障する場合があります。
- 5湿度
- 静電気測定器の中で減衰測定をする場合に使用するオネストメータ、帯電プレートモニタ、DX、DPは、湿度が高いときには、自然に減衰を始めてしまって測定がうまくいかないことがあります。この時は乾燥するまで待つか、測定器を乾燥させて下さい。温度を上げる事が乾燥のためには効果的ですが、あげすぎると機器の故障の原因となりますのでご注意下さい。帯電プレートモニタはプレートの足(白色の4本の足)を温風で乾燥させることで湿度の影響を減らすことができます。
- 6測定誤差要因
- 測定物の近くにアース体などがあると電界が乱されて正確な測定ができません。
また測定器は200mm角の校正板と呼ばれる基準工具により校正されているため、それ以外の測定対象物の大きさの時は補正が必要です。特に小さい対象物は大きな測定誤差を発生させるため注意が必要です。
測定距離は測定器ごとに決まっており正しく距離を取らないと測定誤差となります。
そばにアース体があった場合
対象物の面積が小さい場合
測定距離が正しくない時
安全のため
安全のため、防爆環境では測定器は使用しないで下さい。
弊社の測定器は防爆検定品ではありません。オネストメータの回転資料台のような回転機構のある測定器では、回転時には危険ですので手を触れないで下さい。オネストメータについては、H0110-S4以降は危険防止の安全カバーが標準付属となっております。
静電気以外の測定器
抵抗値測定用としてMEG101、シューテスタⅡ、減衰測定用としてオネストメータ、CPM301、DPがあります。MEG101は床面の表面抵抗値の測定に使用します。プローブを変更することで樹脂材料などの表面抵抗も測定可能です。シューテスタⅡは塗装ラインなどでの導電靴の管理用として使用します。オネストメータは樹脂材料や布などの電荷減衰測定に、DP、CPM301はイオナイザの除電効果を確認するときに使用されます。
校正について
弊社では測定器類の校正に使用している高圧電源等は年に一回校正をおこなっており、国家基準のトレーサビリティ証明書(校正表試験成績表付き)が発行可能です(有償)。なお、JCSS校正、A2LA校正などのISO/IEC17025認定校正には対応しておりません。
→「トレーサビリティ証明書サンプル」
なお校正表試験成績表のみの発行も可能となっております(有償)
→「校正表試験成績表サンプル」
校正が必要な時期になりましたら購入代理店経由で弊社営業までお申し込み下さい。お客様においての校正はできません。 オネストメータについては校正用工具があり、ユーザーにて簡易校正をおこなうことは可能ですが、取り扱いが非常に難しく危険でもあり、精密な測定器も必要であることなどから、現状では弊社工場へ送り返してのいただいた上で校正を行うことになります。 校正納期ですが、一般に2週間程度かかりますが7月~8月は社内装置の校正時期に当たり納期がかかりますのでご確認下さい。
校正時期
測定器の校正時期は、ISO管理上測定器の使用頻度などを加味して決定する必要があります。管理部門とご相談の上適切な期間を決定して下さい。一般的には1年で校正される場合が多いようです。